コンビニから見た「働き方改革」見直されるべきフランチャイズ契約の問題とは
コンビニを見るときっと気づく、日本の経済と働く皆さんが元気になる兆しがある
■コンビニが守っていくべき、社会保障への取り組み
本部とオーナーの話し合いが増えるなか、実現に向けて取り組まなくてはいけないのが社会保障です。フランチャイズ店では、オーナーが社員として店長を雇っている店舗も少なくありません。しかし、彼らは社員に対して、社会保険や有給休暇といった社会保障を受けさせていない場合もあると推察されます。
また、アルバイトやパートも「半年以上の継続勤務」と「所定労働日の8割以上出勤」という条件を満たせば有給休暇を取得できますが、こちらも同様です。
2016年10月、501人以上の企業において、短時間労働者にも社会保険(健 康保険・厚生年金保険)の加入が義務づけられました。適用条件は「1週間の所定労働時間が20時間以上」「雇用期間が継続して1年以上見込まれる」「月額賃金が8万8000円以上」「学生以外」の4項目です。ところが、今後は500人以下の企業にも適用される可能性があり、そうなればフランチャイズ店も他人事ではいられなくなります。
コンビニオーナーのみならず、多くの中小企業にとって、この法律は非常に厳しいものとなるでしょう。遵守するとしたら、現状のフランチャイズ契約のままでは、多くのコンビニのオーナーが描いた事業計画は確実に破綻します。
しかし、私の見解を申し上げるなら、コンビニこそが先例として、こうした社会的責任を全うすべく、立ち向かっていくべきです。コンビニは時代の変化やお客様のニーズにも対応し、成長してきた小売業です。きっと、社会の変化に対しても、コンビニ本部は対応できるはずです。本部とオーナーが歩み寄りを見せ始めた現在、本部は契約内容を見直し、社会保障の厳格化を進めていってほしいと思います。
コンビニは日本の誰もが利用する、日本国民が作り上げた、世界最強のリアル小売業であり、そのことに異論を挟む人はいないでしょう。
ただし、昨今、コンビニ問題がネットでテレビのニュースで話題となっています。
いま必要とされている社会的課題との向き合いは、オーナー・本部ともに大変厳しい戦いとなります。そんな現状と処方箋を、日本の未来になぞらえて、この本を書きました。皆様が感じた異論反論・斬新なアイデアで、前向きな議論が活発化する機会になれば幸いです。
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【渡辺広明氏 出演情報】
2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載
2/8(土曜)テレビ朝日『サタデーステーション』20:54〜
2/12(水曜)BS日テレ『深層NEWS』22:00〜
2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』
2/20(木曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~
2/21(金曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53
『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)
少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。
全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。
1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。
2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。
この2点が本書の最大のおすすめポイントです。